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突撃!体験レポート

教育について

我が子が発達障害と診断された!経験者ママの「受け止め」までの道のり

我が子が発達障害と診断されたら、多くの方が驚き、嘆き、しばらくは受け入れることができないのではないでしょうか。

発達障害という言葉も、最近になってよく耳にするようになった言葉です。しばらく前まではほぼ聞くことがありませんでしたよね。

発達障害とは、いったいどんなものなのでしょうか。そして発達障害と診断された我が子や自分のこれからを、どう受け止めていけば良いのでしょうか。

筆者には発達障害者の弟と、発達障害児の子どもがいます。その経験を活かして、受け止めるまでの道のりや、今のホンネを語ります。

赤裸々な体験と、本音です。お読みになって不快と感じる方もおられるかもしれません。

しかし、実際に発達障害者とともに生きる人間について、何かを得るきっかけになれば幸いです。

発達障害って何?診断されたら障害者なの?

まずは発達障害について説明します。発達障害とはなにか、診断されたら障害者になるのかなどを解説していきます。

発達障害とは社会性に関する脳の特性

発達障害とは、見た目でわかる障害ではなく、脳の特性によって起きる先天性の障害です。

現在、治療法はありませんが、コミュニケーションを円滑にするなどの療育は行われています。

発達障害にはいくつかの種類がありますが、多くに社会性に関するつまずきを抱えています。

気持ちの切り替えができなかったり、他人とうまくコミュニケーションが取れなかったりといった困難です。

 

障害者として生きるかどうかは社会の支援がどれほど必要かによって決まる

発達障害と診断されても、すべての人が障害者として生きていくわけではありません。

障害者とは、社会生活を営む上で、国をはじめとする行政から特別な支援を必要とする状態の人々です。

発達障害と診断されても、特性を理解し能力を活かした職業につき、安定した収入を得て家庭を築いている人もたくさんいます。

発達障害の種類

発達障害にはさまざまな種類があります。知的障害をともなうものだけでなく、知的障害がないばかりか非常に高いIQを持つケースもあります。

生まれながらの脳の特性によって起きるとされ、現在根本的な治療方法はありません。

しかし療育という、その子の特性に寄り添う特殊な教育を行うことで、より生きやすい方向へある程度改善・成長させることは可能です。

自閉症スペクトラム

自閉症スペクトラムは、発達障害の中でももっとも顕著な特性が現れます。

発現や発見も早く、言葉が遅い・目が合わないなどの特徴から、1歳6ヶ月健診で指摘される子もたくさんいます。

 

・3歳くらいまでに、健常児との違いがはっきりしてくる

・コミュニケーションがとりづらい

・人の表情や見通しの立たないことの理解が難しい

・言葉の発達が遅い

・こだわりが強く、興味関心の幅が非常に狭い

・手をヒラヒラさせる、くるくる回り続けるなど特徴的な動きが見られる子もいる

・知的発達の遅れが見られる

 

こういった特性を持ちます。

自閉症スペクトラムのスペクトラムは「裾野」という意味の英語で、その特性は両親を認識できない子から、ほとんど健常者と見分けがつかない子まで広範にわたります。

筆者の子どもは、自閉症スペクトラムと診断されています。

高機能自閉症

高機能自閉症は、自閉症スペクトラムとほぼ同じ特性を持ちますが、知能発達の遅れを見ないタイプです。

近年はアスペルガー症候群と区別しない医師も増えています。

アスペルガー症候群

アスペルガー症候群は、自閉症の一種ですが、知的な発達と言語の発達に遅れを生じないタイプです。

そのため、「ちょっと変わった子」という認識で家族も気づかないまま、普通に暮らしている人も少なくありません。

しかし他人とコミュニケーションを取ることが苦手だったり、他者理解が苦手で社会的関係を上手に構築できなかったりという特性があるため、何らかの生きづらさを感じる人もたくさんいます。

知能は知的発達遅延のボーダーラインと言われるIQ70から、いわゆる天才と呼ばれるIQ140を超える人まで、個人によってさまざまです。

スティーブン・スピルバーグのように、アスペルガー症候群であることを公表している著名人もいます。

広汎性発達障害

自閉症スペクトラム・高機能自閉症・アスペルガー症候群をまとめて広汎性発達障害と呼ぶこともあります。

知能や言語の発達などの関係で区別がつけにくく、広汎性発達障害と診断名がつくケースもあります。

多動性注意欠陥障害(ADHD)

多動性注意欠陥障害(ADHD)は、最近よく耳にするようになりました。

「片付けられない」「約束を守れない」「時間に間に合わない」などの困りごとをもった社会人が、大人になってからADHDと診断されることも増えています。

ADHDには、3つのタイプがあります。

 

・多動性・衝動性優勢型

・不注意優勢型

・混合型

 

多動性・衝動性優勢型は、じっとしていられず、常に走り回ったりくねくねと身体を動かし、衝動的に飛び出したりするなどの行動が目立つタイプです。

大人になるとともに多動性・衝動性は身体より内面に出るようになり、多弁や落ち着きのなさに変わっていきます。

筆者の子どもは、自閉症スペクトラムとこのタイプのADHDを併発しています。幼いころは常に走り回り、今は一日中しゃべっています。

不注意優勢型は、大人に多いタイプです。注意散漫で、作業や整理整頓をやり遂げること、時間を見ながら行動することなどに苦手を感じます。

多動性注意欠陥障害(ADHD)はまだ不明な点の多い障害で、ふたつの特性が両方出る混合型の人もいます。

小島慶子さんや勝間和代さん、栗原類さんがADHDであることを公表しています。

 

学習障害

基本的に、知的発達には遅れが見られないものの、学習に必要な何らかの能力に問題が生じているため勉強に支障をきたす障害です。

 

・聞く

・話す

・読む

・書く

・計算

・推論

 

これらの能力に問題が起きると、文字が読めない・覚えられない・計算が理解できないなどの障害が出てきます。

読字障害・書字障害など細かく分類する場合もあります。

 

トム・クルーズやオーランド・ブルーム、スティーブン・スピルバーグもこれらの障害を公表しています。

発達障害を持つ子どもと生きることへのQ&A

発達障害を持つ子どもがいるママたちは、同じ立場の母親に、いろいろと訊いてみたいことがあるのではないでしょうか。

しかしなかなか質問する機会は得られませんし、面と向かうと「失礼にならないかな」と不安になって、訊きづらいものですよね。

そこで、発達障害者の弟と育ち、発達障害児の我が子を育てる私が、ママたちの質問にお答えしたいと思います。

子どもが発達障害と知ってすぐに受け止められましたか?

いいえ。最初は「そんなことない!」と思いました。

でも幼稚園から毎日のように苦情の電話がかかってきたり、目が合いにくく落ち着きのない様子を見たりするうちに「なにか障害があるのかもしれないな」と感じるようになりました。

本当に受け止められるようになったのは、母子療育施設で発達障害のことを学び、同じ立場のママ友や素晴らしい先生と出会ってからです。

我が子は、発達障害という特性もすべてひっくるめて「我が子」。そう思えるようになるまで、親子でゆっくり日々を重ね、1年ほどかかったと思います。

子どもが発達障害で嫌な思いをしたことはありますか?

発達障害のことも、私たち母子のことも全く知らない人から

「ネグレクトだからあんな子どもになる」

「母親の愛情不足でああなった」

「母親はしつけもできない女なのか」

といったことをズバズバ言われた経験があります。

また「知能を伸ばせば治る」と勘違いしている人から、スパルタ教育を無理強いされたときは、大変困りました。

「もっと重い障害だったら国からたくさんお金が出たのに残念ね」と言われた時には、憤りで気が遠くなりそうでした。

でも、同じ経験をしている友人たちの共感や、私たち親子をよく理解している人々の温かな受け止めで、いつも救われています。

子どもの発達障害を受け止めるきっかけはありましたか?

周囲の心ない人々から「愛情がない母親だから子どもが障害児になった」と言われていた頃、療育センターの先生から「ママとお子さんは、強い愛情の絆で結ばれていますね。すごく愛情深いお母さんですね」と、日常会話の中で何気なく言われました。

そのとき、あまりの嬉しさで号泣してしまい、慌てた先生に仔細を訊かれて、同じ思いを抱えたママたちのことも教えていただきました。

私の子どもへの愛情を初めて肯定してもらい、一人じゃないんだと知った瞬間から、私の中で我が子への受け止めも変わっていったのだと思います。

子どもが発達障害を持っていると不幸ですか?

まったく不幸ではありません!

幸不幸は、その人の受け取り方で違ってきます。そのため、絶対不幸にならないとは言い切れません。

しかし我が家が「発達障害を持っている子どものせいで不幸だ」と感じたことは、一度たりともありません。

むしろ、健常な子どもだけなら知りえなかった世界を教えてくれて、素晴らしい人々と出会わせてくれて、我が子には感謝の気持ちでいっぱいです。

子どもが発達障害を持っていると大変ですか?

私自身、発達障害者の弟と一緒に育ち、母からはほぼ平等に接してもらいました。

進学や反抗期、結婚など、私の方が弟より母に苦労をかけた自覚があります。

我が家の子ども達も、発達障害のある・なしに関わらず、しつけは同じようにしています。また困りごともそれぞれ噴出するものです。

発達障害をもっていてもいなくても、子育ては同じように大変です

しかし、子どもの愛らしさや面白い行動・発言、成長の喜びのほうが毎日大きくて、何か特別なことをしてくれなくても「うちに生まれて、育てさせてくれるだけで親孝行だ」と日々感じますよ。

子どもが発達障害を持っていて困ることは何ですか?

発達障害は、見た目では判りません。普通の人と同じように見えるのに、急にギョッとするような行動をします。

そのため、周囲の人々に突然ご迷惑をかけてしまうことは、困るなと感じます。

また発達障害についてちゃんと理解してくださる場所はまだ少ないため、受け入れてくれる習い事なども限られます。

我が家ではあまり経験がありませんが、ほかのお宅では「子どもが人ごみや待つことが耐えられないため、家族で外食や遊園地にも行けない」などのお悩みを聞きます。

医師やカウンセラーに相談しても「個室レストランを予約すれば?」など、セレブ発言をされるだけで、庶民の自分たちには意味がないこともよくあります。

父親は発達障害をすぐに受け止めてくれましたか?

父親は、私の弟が発達障害を持っていることを知りながら私と結婚してくれた人で、発達障害者に偏見はありませんでした。

それでも、心の中ではさまざまな嵐が吹き荒れたと思います。

もっとももめたのは就学時です。私は毎日の様子から、知的障害も重めだと感じて支援学校を希望しました。

しかしパパは、いずれ知的に他の子に追いつくことを考えて、支援学級にしようと言っていました。

たくさん話し合い、いろいろ勉強もして、我が子に現状どんな支援が必要かを考え、結局支援学校に入れました。

我が子が飛躍的に成長した今では、パパも「支援学校で本当に良かった」と言ってくれています。

もし発達障害が治るなら治したいですか?

本人の生きやすさを考えれば、今後治す方法が発見されたなら治してあげたいと思います。

しかし、私たちは今の「発達障害を持った我が子」を、障害ごと愛しています。自分たちのために治って欲しいとは考えていません。

 

 

子ども達は、障害の有無にかかわらず私たちの生きる希望です。発達障害を持つ子も、持たない子も、私たちを生かし、幸せにしてくれています。

そのことをまったく理解しない、「津久井やまゆり園事件」の犯人のような人間に、ある日突然我が子を奪われたら、と考えると、生きた心地もしません。

それほど、発達障害を持つ子どもは、私たちを強く支えてくれています。

発達障害を持つ子と他のきょうだいを差別してしまうことは?

私自身は、両親から弟と差別されることなく育ちましたが、関係ない周囲の人に「一緒に遊ぶとビョーキがうつる」「弟の分まで勉強して親孝行しろ」など無責任に言われてきました。

そのつらさを知っているので、発達障害を持つ子と他のきょうだいを差別することは、まずありません。

発達障害を持つ子にどうしても時間や手がかかるため、他のきょうだいをこっそり甘やかし、ママやパパを独り占めできる時間を積極的に作っています。

我が子が発達障害を持っていて良かったなと感じることはありますか?

我が子の生きやすさ、彼の今後の人生を考えると、「良かった」と言えることはありません。

でも親としては、ゆっくりゆっくり育つので、普通の子育てでは見逃してしまう成長の変化をしっかり観察できたり、何かができたときの感動が大きかったりと、喜びはたくさんあります。

我が子が発達障害ではなかったら、ずいぶん狭い世界しか知らずに生きていただろうな、とも感じます。

今後の不安はなんですか?

就業です。我が子がやりがいを持ち、居場所として心地よい環境の職場を探してあげることが一番の課題です。

また我が子を就業施設の人々に愛される、気持ちの切り替えが上手で素直な子に育てていくことも大きな課題です。

また、私たち両親は、どうしてもいずれ我が子をおいて死んでいかなければならないでしょう。

そのときが来るまでに、どのように計らえばよいのか、法律やシステムはどう変化していくのかなど、不安は尽きません。

発達障害のある子どもを持って思うこと

発達障害のある子どもを持って思うことは、障害があろうとなかろうと、育児の大変さには変わりがないということ、そして愛おしさにも変わりがないということです。

発達障害について知識がまったくない状態のころは、我が子の障害を受け入れることがなかなかできませんでした。

しかし知識を得るにつれて、我が子との関わり方も判り、徐々に発達障害を含めて我が子を受け止められるようになってきました。

何より、多くの素晴らしい先生方やパパママと出会えたことで、同じ思いをしている家族がたくさんいると知り、世界がぐんと広くなりました

今では将来に不安を抱えつつも、のんびり育つ我が子に寄り添い、子育てを楽しめています。

我が子もパパやママに愛されていることをちゃんと理解しており、私たち両親を深く愛してくれていて、幸せです。

もし日本が治安の悪い紛争地域だったら、弱い立場の人間として、我が子のような障害児への支援など望むべくもなかったでしょう。

戦争もなく、医療も学問も発達している平和な日本で、私たちのもとに生まれてきてくれたことに、感謝しながら育児をする毎日です。

  • 2020.2.10
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