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突撃!体験レポート

教育について

子どもはなぜ勉強をしなければならないの?親子で考える【勉強】

みなさんのご家庭では、こんな会話をしたことはありませんか?「勉強しなさい」「えー、面倒くさい。どうして勉強なんかしなくちゃいけないの?」……よく目にする光景ですよね。

「なぜ子どもは勉強しなければならないのか」という質問に、親であるみなさんはきちんと答えることができますか?自分が子どもだった時に、「なんでつまらない勉強なんてしなくちゃならないんだ」と思ってはいませんでしたか?

多くの子どもが考える「なぜ勉強をしなければならないのか」という疑問に、すっきりと答えられる大人は少ないそうです。でも、この質問は子どもの勉強に対する「ヤル気スイッチ」に大きく関わります。もし子どもが失望するような答えしか親が返せなかったら、子どものヤル気をそいでしまうかもしれません。

なぜ子どもは勉強をしなければならないのか、どうして勉強をするのか、勉強をしないまま大人になるとどうなってしまうのか……子どもと真剣に語り合い、子どもが納得できる「答え」を探してみましょう。

「なぜ勉強しなきゃいけないの?」という永遠のテーマ

子どもはどんな時に「なぜ勉強しなくちゃいけないの?」という疑問を抱くのでしょうか。みなさんが子どもだった時、どんな時に勉強について疑問を持ちましたか。

 

「どうして勉強しなくちゃいけないの?」と子どもが思う時

子どもが「なぜ勉強をしなければならないのか」という疑問を抱くのは、どんなシチュエーションでしょうか。今は社会人となって、子どもを育てる親の立場になっている大人たちも、昔は子どもでした。多くの人が、自分でも「なんで勉強なんてしなくちゃいけないんだろう」と疑問を抱いたことがあるでしょう。

漢字を何千字も暗記しなければならなかったり、日本人なのに英語を学ばなければならなかったり、どう考えても日常生活には関係ない因数分解や分子構造を覚えたり、そんな時に「こんなの何の役に立つんだろう」と思ったことはありませんか?

自分のパートナーや職場の同僚、友人などと、「子どものころ、どんな時に勉強に疑問を持ったか」を話題にしてみてください。自分とは違う理由で、勉強することに疑問を抱いているかもしれません。子どもが勉強に疑問を抱く理由は、実に様々なのです。事項から見ていきましょう。

1.子ども自身が勉強に行き詰まりを感じた時

受験や定期試験などに向けて勉強をしている時に、成績の伸び悩みや集中力が続かないこと、ヤル気が出ないことなど、様々な理由で「行き詰まり」を感じることがあります。

どんなに頑張っていても、努力に結果がついてこなければ、うんざりと嫌気がさすこともあるでしょう。そんな時に、「こんなに努力しているのになんで報われないんだろう、なんで勉強なんかしなくちゃいけないんだろう」と自問自答し、ふと口にしてしまうというシチュエーションです。

2.子どもが親の「勉強しろ」という言葉に反発を感じた時

親に「勉強しなさい」と言われて、快く机に向かう子どもはまずいませんよね。楽しくなく、さらに「なぜやらなければならないのか分からない勉強」を、確たる理由もなく押し付けられることで、子どもは親に反発するでしょう。

「今やろうと思っていたのに」「文句言うからヤル気がなくなった」といった文句とともに「なんで勉強なんかしなくちゃならないんだよ」と反抗する子どももいます。

3.子どもが勉強を嫌い・苦手・面倒に感じている時

学校の授業がつまらない、宿題が多すぎて遊ぶ時間がない、授業についていけないので毎日の学校が苦痛など、子どもが勉強を面倒で苦手なものと感じている時に「なんで勉強なんてしなくちゃいけないの?」という疑問が出てきます。

勉強が苦痛であればあるほど、子どもにとっては心底悲痛な本音でしょう。ずっと胸の底に秘めていた苦悩だったかもしれません。

 

4.勉強以外に夢中になっているものがある時

ゲームや漫画をはじめ、好奇心旺盛な子ども達は実にさまざまなものに夢中になります。中には昆虫の世界の虜になってしまう子もいますし、仏像の美しさに目覚めてしまう子もいます。

将棋や囲碁といった頭脳ゲーム、野球やサッカーなどのスポーツ、発明やDIYなど、子どもの好奇心は無限に広がります。

勉強以外の事に夢中になっている子どもにとって、勉強の時間は「夢中になっているものの邪魔」になってしまうでしょう。そんな時「自分にはこんなに夢中になれるものがあるのに、どうして勉強なんかに時間を割かなきゃいけないの?」と感じてしまうのです。

 

子どもが勉強に疑問を抱く理由は、子どもの数ほどある

子どもは必ずしも、みんな勉強が嫌いでサボりたがっているという訳ではありません。子どもによっては、自分なりの努力が報われずにイライラしていることもあります。勉強のやり方が分からず、途方に暮れていることもあります。また勉強よりも価値があると感じるものを見つけて、そこに向かって邁進している子どももいるのです。

「なんで勉強しなくちゃいけないの?」という子どもの疑問には、その子なりの背景があります。「子どもは勉強が嫌いだから、そういった質問をするものだ」という先入観で見ることはやめて、我が子が何を思ってその疑問をぶつけてきたのかを考えてみましょう。

言ってはいけない!子どもがガッカリする「勉強するための理由」

みなさんは子どもから「なぜ勉強をしなきゃいけないの?」と質問されたとき、咄嗟に答えることができますか?そしてどうやって答えるでしょうか。まずは、子どもがガッカリしたりイライラしたりしてしまい、ヤル気をそいでしまう【言ってはいけない答え方】からご紹介します。

いい学校へ入っていい会社に就職するため

「勉強しないといい高校や大学に入れないからよ」

「いい大学を出なければいい会社に就職できないからだ」

「この社会は就職先で勝ち負けが決まってしまうから」

こうした「勉強しなければいい仕事に就けない」という理由は、子どもの心に刺さりません。子どもはある程度親の答えを想定して、分かったうえで疑問を親にぶつけてきます。しかし、「もしかしたら自分のモヤモヤを払拭してくれるような、素敵な答えが返ってくるかもしれない」と、一抹の希望を抱いています。

また情報が簡単に手に入るようになった現在では、「いい学校に入ればいい会社に入ることができ、いい会社に入ればいい就職ができ、一生安泰に暮らせる」という考えがすでに、何の根拠もないものだと子ども達は知っています。

それなのに、こうした一昔前の判で押したような答えでは、子どもの育ちざかりで敏感な心の琴線を震わせることはできません。

 

それどころか「そんな簡単な常識もわかっていない親なのか」「所詮勉強したところでこの程度の大人にしかなれないのか」など、子どもに幻滅されてしまうかもしれないのです。

親の自分のように出世してお金をたくさんもらえる身分になるため

「親の自分のようによい会社で出世できるように」

「親の自分のように士業に就いて先生と呼ばれ、お金に不自由しないように」

「親の自分が医師なのだから、当然子どものお前も医師になれるように」

こうした「親の自分が成功を収めているから、同じような出世コースを歩むために勉強をしなさい」という答えも、同様に子どもをがっかりさせることでしょう。

「親の自分が成功した人生を送っているから」同じように進んでほしい、という親心は、親なら誰でもわかるものです。

でも子どもにとっては

「親のエゴ」

「結局はレールを敷いて親の言う通りの人生を送らせたいだけ」

「さすが先生のお子さんは優秀と言われたいだけ」

といった印象しか持てない言葉かもしれません。さまざまな性格の子どもがいるので、中には「親と同じレールを歩く」ことに誇りを持てる子もいます。しかし、「親が偉そうで嫌だ。同じ道なんてまっぴらだ」と感じてしまう子どもがいることも、また事実なのです。

親の自分が勉強しなかったため後悔しているから

「親の自分が勉強をしなかったから後悔している」という理由は、説得力があるようで実は「親のエゴや押し付け」と感じ取られてしまう可能性が高い言葉です。

親が「自分の人生を後悔している」と宣言することは、子どもにとって少なからずショッキングなことです。子どもは赤ちゃんの頃から無条件に親を愛していますし、思春期に入っても、目に見えない絆や愛情、尊敬の念をどこかで感じながら反発をしています。

そんな複雑で愛おしい存在である親が「人生を後悔している」と言ってしまったら、思春期に入りかけている繊細な子どもの心は「自分を生んだことも含めて失敗だと思っているんだろうか」と傷ついてしまうかもしれません。

 

 

また親の自分が勉強をしなかったから、やりたいことができなかったという理屈は、「親の代理となって親が成功だと思い込んでいる人生をやり直してほしい」、ということにつながります。

「自分は自分、自分の人生を自由に生きたい。親の身代わりではない」と子どもが反発する可能性が高い言葉だということを、認識しておきたいですね。

また、勉強をした人間が必ず成功を掴み、勉強が苦手だった人間が必ず人生に失敗するというルールはありません。最高学府を素晴らしい成績で卒業しても思い通りの人生が歩めなかったという人は無数にいます。

逆に、勉強が苦手だったけれど、その後努力してさまざまな経験や人間関係の中でたくさんのことを学び、這い上がるようにして成功し、悔いのない人生を送る人もまた無数にいます。

「勉強をしなかったから人生がうまくいかなかった」「勉強すれば人生はうまくいく」という言葉には何の重みもありません。むしろ「今からだって努力は遅くないのに、なぜ自分を棚上げして子どもに押し付けるの?」と反論されかねません。

 

特に勉強をしなかったから人生を失敗したと感じている親がその言葉を言ったとしても、「自分は勉強しなかったんだから、勉強したらどうなったかなんて分からないじゃん」と反発されてしまうでしょう。

「なぜ勉強しなきゃいけないの?」という子どもの質問に答えてみましょう

それでは、「なぜ勉強しなきゃいけないの?」という子どもの質問に、どう答えれば良いのでしょうか。模範解答や、考えるポイントをご紹介します。

「なぜ勉強しなければならないのか」の模範解答

以前、こうしたツイートがツイッター上で話題になり、数万のリツイートなどで多くの人に広まったということがありました。

「勉強をなぜするのか親に訊いたときに、コップを指して「国語なら『透明なコップに入った濁ったお茶』、算数なら『200mlのコップに半分以下残っているお茶』、社会なら『中国産のコップに入った静岡産のお茶』と色々な視点が持てる。多様な視点や価値観は心を自由にする」というようなことを返された」

出典:https://twitter.com/8jouhan_ns

 

また、「この世界はコンピュータやITといった魔法に満ちている」と考えている子ども達に「学校は、ハリーポッターのホグワーツ魔法学校のように、【魔法】を学ぶところだ」という人もいます。

出典:「なんで勉強しなきゃいけないの?」と子供に聞かれたら、こう答えよ
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/49003

 

さらに接客業をする母が、子どもに「いろいろなお客さんと話をする中で、勉強の基礎が自分の中にあるから、さまざまな話を聞いて自分なりに考え、語り合い、さらに勉強することができる」といったという言葉もあります。

大人が聞いても「なるほど……!」と唸ってしまうような模範解答ですね。素晴らしい答えですが、それでもこれらの模範解答は、すべての子どもにとって有効なわけではありません。

我が子にとって今必要な言葉はなにかを考える

必要なのは、すべての子どもを納得させる答えを探すことではないのです。

 

「そんな疑問をぶつけてきた我が子は、今どんな壁を感じているのだろう」

「私はこの子と同じくらいの頃、どう考えていただろう」

「勉強は今の私にとって、どんな糧になっているだろう」

 

そうしたことを、親自身が真摯に、誠意をもって考え、そして紡ぎだした答えこそが、子どもの心に刺さり、そして琴線を揺さぶるのではないでしょうか。

たどたどしい答えでも構いません。間違っているかもしれない、と前置きをして、考えた後で「さっきはこう答えたけれど、よく考えてみたらこういう事でもあるかもしれない」と訂正しても良いのです。

ただ、子どもがなぜそんなことを感じたのかを子どもの立場になって考え、子どもの疑問に全身全霊で答えてあげることが、この疑問に対して有効な最初の一歩です。

 

そしてできれば「パパやママも自分にとっての勉強について考えてみるから、君も考えてみて」と、子どもと一緒に、家族で一緒に考えて語り合ってみましょう。

勉強をしなければならない理由ってなんだろう

勉強をしなければならない理由とは、結局のところ一体なんなのでしょうか。

子どもが間違っている点をひとつ挙げましょう。それは、「勉強は学校を卒業するまですればいいというものではない。生涯続けていくもので、ただ学校を卒業すると、教科書や教師がなくなるだけだ」ということです。

 

私たち社会人は、仕事や顧客、取引先やクライアント、上司・部下などさまざまな人間関係を通し、難しいプロジェクトをクリアしていくことを通して、常にさまざまなことを学んでいます。また必要なスキルや資格のために、勉強をすることもしばしばあります。

勉強は決して学生時代だけのものではありません。生涯続くものなのです。たとえ仕事をリタイアしても、どんどん変化する社会保障に関する法律を学び、趣味の世界での人間関係を学び、趣味を通しても学び、自分の人生を締めくくるための終活で学びます。重病を患い、入院生活の中でさまざまなことを考え学ぶ人もいるでしょう。

 

【学び】とは、【勉強】とは、常に自分の中に未知の世界へのドアや窓をくり抜き、可能性への道を拓き、より彩り豊かで複雑な紋様を描く人生へと新しく筆を重ねていく行為なのではないでしょうか。

それは好奇心や探求心さえ持っていれば、きっと魅惑に満ちた行為であるはずです。新しい自分との出会いには、さまざまなものや本、人との出会いが複雑に絡み合い、エキサイティングな経験になるでしょう。その積み重ねを、【学び】と呼び、【勉強】と呼んでいるのではないでしょうか。

勉強をしなければならない理由は親にとっても生涯の課題

勉強をしなければならない理由は、親にとっても生涯の課題となるべき哲学的な命題といえます。それに対して真摯に向き合い、自分なりの答えを導き出したり、子どもに「君はどう思う?」と訊ねてみたりすることで、子どもも自分と向き合う姿勢を学ぶ事ができるでしょう。

 

 

最後に、私が我が子に聞かれたときの答えをご紹介します。私は中学・高校とある分野の学問に魅了され、自分でコツコツ研究を進めていました。しかし、それをより深く学ぶ環境である大学に入るためには、自分にはあまり興味がない他の教科も勉強しなければなりませんでした。

でも大学受験を乗り越えて、心おきなく専門分野の研究に勤しんでいた時、決して楽しいとは思っていなかった理系の勉強の合理的思考力や知識、英語の文法などが、私にとって大きな「思考の武器」となっていることを思い知りました。

すべての学問、すべての学び体験、すべての思考は絡み合って存在していることを知りました。「知りたいこと」だけを大好物のように貪るだけでは知りえない、広く深い知識が世界には存在しています。そしてそれに出会わせてくれるのは、自分が「なんでこんなこと勉強しなきゃならないの?」と感じていた教科の知識だったことを知ったのです。

 

だから私は子どもにも「私には知りたいことがたくさんあって、そこにはいろいろな勉強の通路をたどっていかなければたどり着けないの。だから私は今も勉強を続けているよ。あなたが好きな道にも、きっと今の勉強はつながっているはずだよ」と答えます。それが正しくても、間違っていても、子ども達が普段の私をしっかり見ているからこそ、何かを感じてくれると思うのです。

  • 2019.1.20
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