【塾・家庭教師・通信教育】子どもの成績を伸ばせるのはどれ?
勉強の伸びがあまり良くない子どもの成績を伸ばしたいと思ったとき、みなさんは塾と家庭教師、どちらを選択しますか?それとも通信教育を選ぶでしょうか。実は学び方を選ぶかには、知っておきたいポイントがたくさんあるのです。
時間とお金をかけて、子どもに勉強をさせるのであれば、目に見える成果を出してほしいもの。それでは、勉強が嫌い・苦手な子どもに適した塾・家庭教師・通信教育の選び方をご紹介します。
目次
塾や家庭教師・通信教育に任せれば成績は必ず上がる?
勉強が嫌いな子ども、苦手な子どもは少なくありません。学校の授業を集中して聞くことができず、授業を受けているだけでは理解が間に合わない子ども達です。
勉強ができない、どうしようと焦った子どもは、塾に通うことを考えます。もちろん親も「塾に活かせた方がいいかもしれない」と考えますね。
ではどうすれば子どもの勉強嫌い・勉強が苦手という意識をくつがえせるほどの成果を得られる塾・家庭教師・通信教育を選ぶことができるのでしょうか。
塾に通うだけでは成績が伸びるとは限らない
勉強ができない、勉強が苦手というと、すぐに「塾に通わせればなんとかなる、なんとかしてくれる」と考えがちです。
しかし授業についていけず、家庭学習もあまりうまくいっていない子ども達は、塾に通うだけで成績がグングン伸びるわけではありません。
塾は街中にいくつもありますし、テレビでもよくCMしています。広告が入ってくることも多いでしょう。
学校のママ友たちのうわさで評判の良いところもあります。県内トップの進学校にたくさんの合格者を出している塾もありますね。
どの塾もそれぞれ個性があり、通う子との相性があえば、ぐんぐん成績が伸びたり、勉強の面白さや努力の持つ引力を教えてくれたりする先生がいます。
しかし、それらの塾が「我が子」の成績を必ずしも伸ばしてくれるとは限りません。「塾に通えばとりあえず何とかなる、何とかしてくれる」ということはないのです。
家庭教師は選び方が難しい
家庭教師は、子ども一人一人の進度に合わせて勉強を見てくれるというスタイルが基本です。だいたい2時間ほど、週に1~2回ほど勉強を見てくれるというのが一般的でしょう。
家庭教師は塾とは違ったメリットがありますが、残念ながらデメリットもあります。そのため、選び方によっては子どもの負担になってしまうかもしれません。
勉強部屋で1対1になって勉強をすることもあり、子どもと先生との相性は非常に大きな問題です。
また家庭教師の質も重要なポイントになります。人に教えた経験のないアルバイト学生から、超難関校合格請負人と呼ばれるプロまで、さまざまなスキルの講師が存在します。
家庭教師ならマンツーマンだから逃げられないし、きっと成績も伸びるはず、と思い込んでスタートすると、がっかりの結果が待っている可能性もあるのです。
通信教育は今やタブレット時代
通信教育は、一昔前までプリントやドリル類が届くパターンが主でしたが、今ではタブレットで通信しながら問題を解いていくことが一般的になっています。
通信教育の中には、今日のノルマ分をやったかどうか、その出来がどうだったかなどを親のスマホにメールでお知らせしてくれるところもあります。
これなら親も監視下におけるし、絶対に大丈夫かと思いきや、落とし穴が無いわけではありません。
子どもが通信教育のデザインなどを気に入らない、ということもあります。シンプルな方が好きな子、イラストなどが無いとモチベーションがさがる子など、好みも様々ですよね。
通信教育だから毎日ちゃんとノルマをこなしていると安心していたら、いつの間にかお金だけ払って溜め込んでいたり、適当にやりすごして内容が身になっていないというケースもあるのです。
塾に通わせるかどうかは子どもの成績と相性で決める
それでは、塾に通わせるかどうか、どんな塾を選ぶかどうかについてもう少し詳しく見ていきます。
塾にはどんな種類があるの?
一言で「塾」といっても、その種類はさまざまです。
・ある教科に特化した塾
・主要教科の基礎を徹底的に固める塾
・受験向けの塾
英語教室や数学教室のように、教科に特化した塾も存在します。主要教科の基礎固めを徹底して行う塾には、くもんなども含まれるでしょう。
街中で多く見かけるのは、受験向けの塾ですね。受験向けと記していなくても、結局は定期考査、そして中学・高校受験に向けて勉強を進めていきます。
集団指導と個別指導はどう違うの?
集団指導と個別指導の塾があることはご存じですか。CMでもよく見かけますが、何がどう違うのでしょうか。
集団指導
学校と同じように、数人~数十人の生徒に対して講師が一人つき、教科書もしくは塾が用意したテキストにそって授業が行われる塾です。
個別指導
個別指導といってもマンツーマンというところはかなり少なく、ほとんどは生徒3人程度に対して1人講師がつきます。
子ども達はそれぞれ自分のペースで自分のテキストの勉強をし、質問がある時だけ講師に質問します。
集団指導の場合は、学校とほぼ同じ状況で授業が行われます。昔ながらの学習塾の風景ですね。
ただし、その塾の講師が教える場合と、教室によっては有名塾講師の授業を動画で見ながら授業が進む場合があります。
集団指導と個別指導のデメリットをそれぞれチェック
塾には集団指導と個別指導があることが分かりました。それでは、どちらに通った方が子どもの成績が伸びるのでしょうか。
集団指導の場合、授業風景はかなり学校と似た状態になります。講師の力量も、学校の教師同様、個人差が出ます。
分からないことが出た場合、塾によって対応が異なります。その都度挙手して質問できる塾もあれば、休み時間などに質問するところもあります。
また集団指導の場合、仲の良い友達がいるとついおしゃべりに花が咲いてしまうなどして、授業に集中できなくなる恐れもあります。
個別指導で注目したいのは、マンツーマン指導とは限らないということです。マンツーマン指導の塾はかなり少数派で、だいたいは3人程度で1人の講師がつきます。
また同時に3人に向かって授業をするわけではなく、子ども達は自学をする中でわからないところが出てくると、講師に質問し、説明を受けるのです。
公平に時間を使えたとしても、1時間あたり20分しか講師を独占できません。さらに質問することが無ければ、講師に教えてもらうことなく帰宅する日がある可能性もあります。
【衝撃の事実】塾に通うためにはボーダーラインがある
実は、塾に通って成績をグングン伸ばすには、通う子どもの学力にボーダーラインがある、と言われています。
「授業をある程度理解し、偏差値にして50、点数にして平均点以上をとっている」
以上が、塾に通って成績が伸びるボーダーラインです。
塾は集団指導でも個別指導でも、完全にマンツーマン指導ではありません。
集団指導はほぼ学校と同じスタイルなので、学校の授業についていけない子どもの場合、同じように理解できずに終わってしまう可能性が高いのです。
また個別指導の場合、「自主学習のやり方がわかっている」子ども、「自分の分からない箇所を理解している」子どもが通うと、奏功します。
しかし自主学習のやり方が分からない子どもや、分からないところがどこか分からない状態の子どもは、講師に何を質問すべきなのかが分からずに終わってしまう可能性があります。
集団指導でも、個別指導でも、塾に通って成績の伸びが期待できるのは、授業である程度の理解ができていて、家庭学習もある程度自分でやり方を確立している子どもと言えます。
また理解度が足りず授業についていけていない子どもをターゲットにした塾であっても、子どもに危機感がなければ、友達との社交場になって終わってしまいます。
それでは、
・授業があまり理解できない
・家庭学習のやり方が分かっていない
・どこが分かっていないのか分かっていない
・平均点・偏差値50に届かない
こういった子ども達の成績を伸ばすには、どのような方法が合っているのでしょうか。
家庭教師は講師選びがポイント
授業についていけない、授業が理解できていない子どもの場合、塾に通わせることはあまり得策とは言えません。
完全マンツーマンの塾でなければ、子どもの理解に寄り添うことが難しいからです。それでは完全にマンツーマンの家庭教師の場合はどうでしょうか。
家庭教師の講師の質
家庭教師は、プロの講師をそろえている企業もあれば、個人で行っている講師もいます。個人で行っている講師も、アルバイトからプロまでさまざまです。
企業だからといって、すべての講師がプロとは限りません。アルバイトの学生の斡旋所になっていて、派遣されてくるのは学生講師がほとんどというところもあります。
そして、アルバイトの学生講師は実力がなく、プロ講師が優れているという訳でもありません。
また旧帝大や医学部に通っている偏差値の高い学生よりも、普通の大学に通う学生の方が教え方がうまい、ということもざらにあります。
家庭教師を選ぶポイントは、プロかアルバイトか、一流大学生か、普通の大学生かではありません。それでは、どの点を重視して選べばよいのかご紹介していきます。
ポイントは「勉強ができない子どもに教える」ことに長けているか
家庭教師を選ぶポイントは、「勉強が苦手、嫌い、できない子ども達に、教えることができる」かどうかになります。
家庭教師の中には、塾のようにある程度の学力がある子どもしか教えてくれないというプロもいます。その代わり、非常に高度な授業でさらに優秀な成績へと導いてくれます。
逆に、勉強が苦手で、授業についていけない、勉強の仕方もよくわからないという子どもの指導に長けている講師もいます。
できればまず電話などで連絡をとるか、企業であれば事務局へおもむいて、どういったスタンスの教え方をしているのか詳しく質問してみましょう。
質問・相談をしてみる前に親が把握しておきたいことがあります。
・直近2~3回の模擬テストの偏差値
・直近2~3回の定期考査の点数と平均点との差
・苦手な教科
・子どもが苦手な教科のどこが苦手なのかを把握しているかどうか
・子どもが勉強に対してどんな思いを抱いているか
これらが分かれば、家庭教師側でもどういった講師が合っているか、個人であれば自分が講師として受け持つことが適当かどうかを判断できます。
最終的に子どもと面会させ、相性をチェックしてみましょう。子どもが信頼できるようであれば、良い関係を築いていくことができるでしょう。
家庭教師のデメリット
家庭教師は、勉強が苦手な子どもを教えることに長けていて、しかも子どもとの相性が良い先生を見つけることができれば、成績アップがある程度期待できると言えます。
しかし家庭教師にもデメリットがあります。
・子どもに合う家庭教師が見つけにくい
・毎日教えてもらえるわけではない
・家庭教師が来ない日のモチベーションを維持することが難しい
勉強が苦手だったけれど、それを克服した学生など、成績が伸び悩んでいる子どものことを理解してくれる先生がうまく見つからないこともあります。
また家庭教師はだいたい週1~2日程度です。先生が来る日は楽しく一生懸命勉強できても、だんだんモチベーションが下がりはじめたり、そもそも先生が来てもヤル気にならない可能性もあります。
家庭教師が来ない日は、よりモチベーションが保ちにくく、1週間で元の木阿弥ということもあり得ます。
先生との間に強い信頼関係が生まれ、先生が喜んでくれるから、先生が褒めてくれるから頑張れるという気持ちになることができれば、子どものヤル気スイッチを押すことができるでしょう。
通信教育で子どもを伸ばすために
通信教育を活用して子どもの成績を伸ばすためには、どのようなことに注目すればよいのでしょうか。
通信教育も放置しては伸びない
通信教育も、子ども任せで放置しているだけではやはり伸び悩んでしまいます。メールやチャットで先生とやりとりする場合、親も子どものスケジュールを把握しておく必要があります。
また通信教育もたくさんあり、子どもに合っているかどうか試してみなければわからない部分も多くあります。
できればお試しでいくつか試してみて、子どもに最も合っているもの、子どもが毎日頑張れるシステムが整っているものを選びましょう。
通信教育のデメリット
通信教育のメリットは、現在多くの企業がタブレットを導入し、子どもがちゃんとノルマをこなしているか、親にメールなどでお知らせしてくれるサービスがあるなど、家庭教育と連動しやすいところにあります。
しかし親の仕事が忙しいと、スマホのメールチェックをすっかり忘れてしまうこともあります。
結局は子どものヤル気にゆだねられているという点では、昔とそんなに大差はないのかもしれません。
また通信教育にも、子どもとの相性があります。通信教育の中で医学部志望者向け・旧帝大志望者向け・理系一流大付属向け・文系一流大付属向けなど分かれているものもあります。
その場合、我が子に合ったレベルを上手にセレクトしなければ、ついていけなくなったり、あまり伸びなかったりという結果に終わってしまいます。
勉強が苦手・嫌いな子どもを伸ばすには親の理解が不可欠
勉強が苦手・嫌いという子どもに基礎力をつけていくためには、親が子どもの現状をしっかり把握すること、子どもの性格や様子をよく観察することが不可欠です。
子どもの苦手意識や理解度が分からなければ、塾選びはできません。子どもの成績表の結果だけに目をやっていては、よい家庭教師を探し当てることができません。
また子どもの日々の成長に少しの間でも集中的に注目することで、より子どもに合っていて、負担になりにくい通信教育を見つけることができます。
勉強が苦手で成績があまりふるわない子どもに合った学習の仕方は、子どもがなぜ勉強が苦手になってしまったかの理由や、子どもの性格を理解しようとする姿勢が必要です。
子どもが成績不振に関してどのような思いを持っているかをはじめ、よく子どもと相談して、塾や家庭教師・通信教育を始めるかどうかを決めると良いでしょう。
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- 2019.11.3